1つの講義は土日の2日間で開講されます。時間は10:00〜16:40です。開講2週間前に事前課題をWebでダウンロードしていただき、予習をして講義に参加してください。もっと前から事前に勉強しておきたいという方には、講義で使用する教科書や参考図書は学期が始まる時期から確認できますので、忙しい社会人の方にも自習時間を計画的に確保していただけます。
週末2日で完結する講義はどのように開講されますか?
高校卒業からでも受講できますか?
もちろん可能です。また短期大学・専門学校・4年制大学を中退された方も可能です。
高校卒業であれば2年間の在籍と24単位の取得でプログラム修了となり、修了後はMBAや税理士、中小企業診断士の内容を学ぶことができる本学大学院への入学にも挑戦できます。
プログラムの修了要件は?
4年制大学・短期大学・専門学校をご卒業の方は1年間の在籍と12単位の取得で修了となり、高等学校ご卒業の方は2年間の在籍と24単位の取得で修了となります。
MBA取得も目指せますか?
修了後に大学院へと進学し、規定の条件を満たしている方はMBAの取得が可能です。本学のMBAプログラムは、AACSB、AMBAの2つの国際認証を取得しており、高水準な教育の質と学習環境が保証された実績の高いプログラムです。
どんなことが学べますか?
社会人に必要となる、論理的思考やプレゼンテーションなど基礎力から、ファイナンス・経済・会計・マーケティング・組織マネジメントの問題解決能力、そしてイノベーション発想力と段階的にMBAの各分野を学習します。
また名古屋キャンパス伏見ビルでは、平日夜間や土曜日に簿記やビジネスに関する法律などの資格対策講座もございます。(有料)
学費の負担が心配です。学費の支払い方法は一括のみですか?
履修証明プログラムの受講料は1年分を一括して納入していただきます。本学提携の金融機関の教育ローンのご利用も可能ですのでご相談ください。
ファイナンスから身につける思考法「金融業界の民俗誌」
長かった春学期の講義もいよいよ今日をもって最後になります。
名古屋商科大学ビジネススクール東京校では、7/25,26,8/1,2の日程で第8回目の講義が行われました。
今回はBusiness Innovation Programの講義「Financial Market Ethnography」を紹介します。
担当は、ファイナンス、コーポレート・ガバナンス等を専門にしている山田隆教授です。
Business Innovation Programは、従来のMBAに代表的な「経営管理的思考」とは違う視点で物事を捉え、新たなビジネスの種を発見する「イノベーション的思考」に重きをおいているプログラムです。
講義はファイナンスの事例を通してビジネス一般に応用できる知識を獲得することがゴールです。ファイナンスは経営戦略論、確率論、社会学など様々な学問分野を横断的に活用するものです。それらの構成要素に触れていくことで、一面的ではない知識の構築を目指します。
一見難しそうですが、ゲームによる「体感」で知識の定着を図っていきます。
講義3日目は「貿易ゲーム」を行いました。先進国、新興国、発展途上国に分かれ、与えられた技術や資源で製品を生産。最終的にどの国が最も「1人あたりGDP」が高いか、を競います。各グループは製品として紙で「丸の図形」「三角の図形」などを作っていきますが、先進国には資源(=紙)がなく、発展途上国には技術(=はさみなど)がありません。このなかでいかに効率良く生産し、お金を生み出すか、というのがゲームの醍醐味です。学生は教室の中を歩き回り、「輸出入」「外交」「技術革新」などの工夫も図りながら、「GDPの最大化」に向けて奮闘しました。
↓楽しみながら知識を身につけたい人は↓
斬新で新たな価値を生み出す人材を目指す「Business Innovation Program」
☆週末には各キャンパスで開講されている講義をご見学いただけます。
ご興味のある方は、お問い合わせください。
⇒近日開催の説明会に参加する
【お問い合わせ】
名古屋商科大学大学院 広報
TEL:052-203-8111
mba@nucba.ac.jp
ビジネス公開講座第101回を開催しました
修了生の修士論文が《租税資料館奨励賞》を受賞
《税理士養成課程》会計ファイナンス研究科の修了生・田々辺献さんが執筆された修士論文「貸倒損失と部分貸倒」が第24回租税資料館奨励賞を受賞されました。
租税資料館は、税法学ならびに税法と関連の深い学術の研究を助成するため、税法等に関する優れた著書及び論文に対して、毎年《租税資料館賞》を贈っています。大学院生の論文については、《租税資料館奨励賞》を設けており、田々辺献さんの修士論文が優れていると評価されました。
受賞にあたり、田々辺献さんに喜びの声や修士論文、本学での学びについてお話しを伺いました。
汐留パートナーズ税理士法人 勤務
田々辺献さん
Tax Accountant Program 東京校
2012月9月入学 2014年9月卒業
修士論文《貸倒損失と部分貸倒》
私が論文のテーマを選んだのは1年次の終わり頃だったと思います。当時、会計・税務に関する実務経験が無かったため、税法上の様々な論点について実体験に結びつけて感じ取るのが難しい状況でした。そのため、テーマ選定に当たっては下記を基準にしました。
- 比較的、正統派なテーマであること
- 先行研究や判例等の蓄積が多いこと
- 現在も話題のテーマであること
貸倒損失は従来から物議を醸してきた論点の一つであり、平成23年度の法改正で貸倒引当金が原則的に廃止されたことから、再考すべき時期に来ていると考え、修士論文のテーマにしました。今思えば適切な選択だったと思いますが、こうした選択ができたのは、大学院の先生方や学友たちに何度も相談に乗って頂き、数々の貴重なアドバイスを頂けたおかげです。学修環境に恵まれたことに大変感謝しています。
受賞にあたり、論文執筆を振り返って一言いただけますか
論文では、貸倒損失の問題点と解決方法について、自分なりに考察して論述しました。こうした自分の思考プロセスや発想について、権威ある租税資料館から名誉ある賞を頂けたことを大変光栄に思います。
論文作成の過程で発揮した思考プロセスは、私が名古屋商科大学大学院(NUCB)で学んだ成果と密接に関係しています。NUCBでは税法学のみならず、MBAの講義も開かれています。私は積極的にMBAの講義にも出席し、修了時には国際認証機関に認証されたMBAも修得できました。
NUCBで得た学びについて教えてください
NUCBの講義は、ビジネスパーソンとして活動するうえで非常に役立ちます。知識を教えること以上に、知識を活用して実際に起こり得る問題に対してどのように対処するのか、という問題解決能力の養成に主眼が置かれていることが、NUCBと他校との違いです。
これは非常に重要だと思います。私たちがビジネスにおいて遭遇する問題は、社外・社内の人間関係において、予算や時間の制約があるなかで具体的に解決しなければならない場合がほとんどです。例えば、私たちは学校の地理の授業で《青森県の特産品はリンゴである》という知識を暗記します。しかし、本当に必要なのは、下記のような実際的な問題意識、洞察力、解決方法と結び付けて知識を活用することです。
- 今世間ではリンゴが注目されている
- なぜリンゴなのか?
- 次にミカンがブームになる可能性はあるのか?
- 青森県からリンゴを仕入れた場合どのくらいのコストで調達できるか?
- ブランド力はどのくらいあるのか?
- ジュース等の関連商品にはどのような種類があるか?
- 海外の仕入れと比較してどのような比較優位があるか?
- どのような付加価値が付けられるのか?
論文執筆も同じであり、現在の税制度での問題について、原因を正しく析出して、解決策を検討することが必要です。これからの時代は、知識を得ることから、知識を「活用」することに、比重が高まっていくと考えています。その意味でNUCBの教育スタイルは、今まさに必要とされていると思います。
将来のご展望はいかがでしょうか
今後はNUCBで学んだスキルを活かして、ビジネスで活躍し、人の役に立ちたいと考えています。私が身を置く会計・税務業界もちょうど革新の時期にあり、旧来の会計税務の知識に加えて、ITスキル、プレゼン力、英語力、ビジネスストラテジー、マネジメント、ホスピタリティー、コンプライアンス、ガバメントといった新しい能力が試される時代になってきています。しかし、こうした変革の時期にあっても、正しい信念と理念に基づき、NUCBで習得した実践的なスキルを活用すれば、必ず問題は解決できると確信しています。そして、そのような問題を切り開いた先の地平線にあるのは、より多くの人々や社会に貢献し、多くの幸福を成し遂げる境地ではないでしょうか。
英語MBA講義「リーダーシップと組織行動学」《Global MBA》
名古屋では11/27,28,29の日程で、100%英語で学べるMBAの講義、Stefan Lippert教授による《Leadership and Organizational Behavior リーダーシップと組織行動学》の講義が行われました。
Stefan Lippert教授
ドイツKiel大学にて「政治・経済史」「法学」のPhD を取得、同大学で助教授を得て、グローバル戦略&マーケティングコンサルティング会社であるサイモン・クチャー&パートナーズにおけるCEO兼マネージング・パートナーを務められました。日本および国際企業で、戦略、クロスボーダーM&A、組織変革の事項のコンサルティングにおいてアドバイザーとして従事されています。
現在は、テンプル大学日本キャンパスにおいて、Professor of International Businessとして教鞭をとられています。日本の他大学やビジネススクール、海外の大学などでも講義を行われています。
組織が直面する課題である、組織構造、人的資源、意思決定、グループの管理、リーダーシップなど多岐にわたる課題をとりあげます。
これらの課題解決のため、職場で働く人々の行動と組織の在り方、この二つにどのような相互作用があるかを理解していきます。本講義では、使用ケースとして「GE’s Two-Decade Transformation 」を用いて、リーダーシップと組織的課題に対して、組織行動の外部と内部のすべての側面どのように取り組むべきかについて討論していきました。
講義初日には、ドイツ日本研究所(German Institute for Japanese Studies Tokyo)より、ゲストスピーカーとして、国際ビジネス奨学生 ヴァラ・ラドゥロヴァ氏をお招きしました。
ヴァラ・ラドゥロヴァ氏は、「組織正義」を研究テーマとされ、コンサルティング、金融サービス業界で8年の実務経験をお持ちです。今回、ご自身の研究テーマである「組織正義とは何か」「組織正義の異文化間、世代間からみた側面」についてお話しいただきました。
《修了生の活躍紹介》技術開発における効率化に関するビジネス書を出版されました
MBA修了生の原嶋茂さんが、ムダの排除を追求した開発思想がよくわかるビジネス書「コンカレント・エンジニアリングの本」を出版されました。

内容紹介
コンカレントエンジニアリング(concurrent engineering)とは、技術開発において製品の開発プロセスを構成する複数の工程を同時並行で進め、各部門間での情報共有や共同作業を行なうことで、開発期間の短縮やコストの削減を図る手法のことを指す。その本質はムダの排除を追求した開発思想ともいえる。
特に製造業で用いられる用語で、設計、試作、生産などの各工程を担当する部門が情報を共有し、前工程の完了を待たずに並列に業務を進めることを意味する。コンカレント・エンジニアリングを日本語で表わすと「同時進行技術活動」といえる。また、後工程の持つ知見を前工程にフィードバックし、例えば量産しやすい構造を意識した設計を行うことなどで、全体最適や全体を通じたコストの削減を目指す。
ただし、コンカレントエンジニアリングの目的は期間短縮だけではない。本書では、業務改革や開発思想の本質を解説している。その狙い、取り組み方、計画、組織、ツール、マネジメントに至るまでを楽しく紹介している。
著者はデンソー入社以来コンカレント・エンジニアリングに取り組み、多くのプロジェクト活動を主導してきた第一人者である。
著者略歴
原嶋茂
名古屋商科大学ビジネススクール EMBAプログラム 2013年9月修了。
作家。専門は、生産マネジメント、技術経営。元(株)デンソー。日本能率協会主催の「生産技術研究部会」「生産技術マネジメント研究会」の運営委員、中部品質管理協会主催のTQM講座「生産における品質マネジメント」等を長く担当。愛知工業大学大学院非常勤講師。日本大学工学部SSL客員研究員。慶應義塾大学大学院SDM研究員。一方、鳴海風の筆名で和算小説や歴史ノンフィクションも手がける。日本文芸家協会会員、関孝和数学研究所研究員。
本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。
過去を見直し、将来を考える。長屋是通さん
Pre MBA(履修証明)名古屋校
2015年4月入学
実家の家業が電気店だった長屋是通さん。電気系の高校と専門学校、後継者育成の専門学校をご卒業後、家電製品販売・電気工事に従事されました。平成8年に携帯電話販売店「株式会社デジマックス」を創業。その後、不動産賃貸業へと業務展開し今年で創業19年目を迎えています。2015年4月にPre MBA(履修証明)に入学し、経営者として学んでいること、活かされていることを伺いました。
「成功する人は週末を無駄にしない。」
専門学校を卒業し実家の家業として継いだ街の電気店は当時、大型家電量販店の攻勢激しく苦戦を強いられるようになっていました。そんな危機感の中、普及初期であった携帯電話の販売店を次の事業とし「株式会社デジマックス」を創業し、5年ほどで23店舗までに事業を拡大しました。その後、携帯電話の急激な普及と飽和状態より様々な問題が生じてきたこともあり、5年前から次の事業の柱にと考えていた店舗やアパート賃貸に主軸を移していきました。
起業して18年。ビジネスのノウハウもなく感覚的に進めてきた会社経営ですが、人とのつながりの強い地域性にも助けられ、正直、自身の会社経営についての不安はあまり感じていませんでした。しかし、時間的な余裕が生まれていたのも後押しして、何の裏付けもなく見よう見まねの経営が本当に正しかったのかを確認したくなり学ぶことを決意しました。
学校を探しネット検索する内、NUCBの広告「成功する人は週末を無駄にしない。」のフレーズを目にしました。自分に訴えられた気がしてドキッとしたのです。すぐに資料請求し個別相談に申し込みました。個別相談を担当してくれた事務局スタッフの対応が良くて学校を決めました。
逆フレームワークで自身の経営判断を答え合わせ
問題を解決に導くための答えを探る時に適切とされる枠組みを「フレームワーク」と言います。目的ごとにビジネスに当てはめて考える事で、何が必要で何が課題となっているのかを論理的に導くことができます。
授業では、様々な企業ケースを通じて課題に対するより正しい経営判断について繰り返し論じ考えていくので、その答えを導くための手段としてフレームワークを使用します。今まで5FORCES、3C分析、PEST分析、7S、4P、など様々なフレームワークを習ってきました。
私は、そのフレームワークを習った後は自身の会社経営で確認作業をしています。執り行ってきた18年間での課題や悩みを思い出しながらフレームワークに当てはめてみるのです。そうすると、その時々に下した自身の経営判断が正しかったのか答え合わせの作業ができるからです。
経営者としては学校で習った知識を通して知っていれば楽だったのに、と思うことはたくさんあります。逆に、感覚的な経営判断であれ正しかったと分かると、それは自信に繋がります。
また、授業中「これはビジネスになるな」とアンテナも常に張っています。会社は安定だけを良しとしてはいけない、変化を恐れず日々挑戦し、進化し続けていくことが大切だと思いました。
間違いを恐れない
自分自身でも変化を感じるのは、人前で積極的に意見を言うようになったことです。それまでは間違いを恐れて言えませんでした。入学して最初の授業「ビジネスプレゼンテーション」でまず羞恥心がエネルギーに変わったのを今でも覚えています。その後も毎講義繰り返されるディスカッションを通して鍛錬され続けました。今では、地元企業が集まる研修会で一番に挙手をして意見を言わなければ気が済まないほどです。
ネットでの衝動買いも減りましたね。ロジカルな考え方が身について、ポチっと購入ボタンを押す前に一旦冷静に考えられるようになったのです。生活の無駄が減ったのを感じます。
知識としてはアカウンティングとファイナンスも役立っています。仕事で取引先の銀行担当者と話す時、内容が理解できるので受け身にならず積極的に関われるようになりました。ファイナンス用語や数字の使い方を知っていると、ビジネスの共通言語として効果的に働く場面があるのは確かです。
受講生や先生から刺激を受けます
印象的な先生のお一人、望月先生は自身で起業し経営者目線での話は大変共感できましたし参考にしました。講義で経営理念の大切さを知り自社ホームページにすぐ反映させました。先生の例え話もとても面白かったので、自分の話かのように周囲に話しています。「これはビジネスになるな」などと、授業中アンテナは常に張っていますね。
同じ履修証明プログラム受講者からも刺激を受けます。50代を過ぎてもアグレッシブに学び続ける姿勢は見習いたいです。
もちろん今まで苦手な科目もありましたし予習など苦しい時もあります。でも大人になってから「楽しい」と感じるのは知らないことを知る時ですよね。入学して先生や受講生を通して改めて感じました。授業に出ると初めて知ることばかりで毎回ワクワクしています。これからも一生勉強だと思っています。
PreMBA(履修証明)にご関心をお持ちの方へ |
平日夜間や週末に東京、名古屋、大阪の各キャンパスで説明会を開催しています。お気軽にご参加ください。
また個別でのご相談も随時承っておりますので、ご希望の日程をお知らせください。折返しご連絡いたします。
名古屋商科大学ビジネススクールは、国内初MBAの国際認証(AACSB,AMBA)ダブル取得をしたビジネススクール。東京、名古屋、大阪でMBAの基礎が体系的に学べるPreMBA(履修証明)を開講。
取材:2015年11月
次世代エグゼクティブ・フロンティアセミナー第54回を開催
MBA教員による無料公開セミナー「次世代エグゼクティブ・フロンティアセミナー」。12月5日(土)に第54回を名古屋で開催しました。北原康富教授による「共感力をイノベーションにつなぐ~デザイン・シンキング入門~」です。
担当の北原教授は、早稲田大学アジア太平洋研究科博士後期課程修了。日米のコンピュータメーカにてシステムエンジニア及びマネジメントコンサルタントとして活動後、ITベンチャー“日本インテグラート株式会社”を設立されました。創業以来、グループコミュニケーションおよび戦略意思決定の2つの領域において、理論・ソフトウェアの研究開発、およびコンサルティングなどを行われ、開発したグループウェア「ウェブハロー」は、ビジネスソフトで初めてのグッドデザイン賞を受賞されています。
本セミナーは、革新的な製品やサービスを創出するための最も有効な手法の一つと言わる《デザイン・シンキング》の入門編です。デザイン・シンキングと、これまでの製品開発プロセスとの違いを具体的な手順などの事例を交えて紹介。着眼点の違いで生まれる提案をグループワークを通じて体感していただきました。
テーマ《次世代の新しいトースターの形》を4つのグループに分かれて、自分たちが求めるトースターの形について提案してもらいました。グループワークでは、行動観察や1日の行動とそのアイテムとの関係性を見直す《カスタマージャーニーマップ》のような異なるデザイン思考法を用いました。
視点を変えてディスカッションすると、提案されるトースターの形、機能ががらりと変わってきます。このようなプロセスを踏めば、顧客の中に潜在的に潜んでいる製品やサービスを発見する手掛かりがつかめます。
実際にデザイン・シンキングを体感しながら知見を深めていただくセミナーとなりました。
次回は1月に開催いたします。
第55回『企業再生の現場から』
日時:2016年1月16日(土)14:30~17:00
会場:名古屋商科大学大学院 名古屋校(サテライト:東京)
講師:名古屋商科大学大学院 植田統教授
※会場は名古屋です。東京はテレビ会議システムによる聴講となります。
→詳細・お申込み
ビジネス公開講座第104回を開催しました
本学が見識を広げる場として平成14年から開講している「ビジネス公開講座」。
各分野の専門家をお招きし、最先端の知見を披露していただいています。
平成27年度秋期は「識者にきく-現状と展望」をテーマとして開催していきます。年内最後となる第104回はキヤノングローバル戦略研究所研究主幹 山下一仁氏をお招きし、「TPP交渉と農業改革」と題してご講演いただきました。
山下氏は、77年に東京大学法学部を卒業され、博士(農学)の学位を取得。農林水産省ガット室長、地域振興課長、農村振興局次長などを歴任後、現在キヤノングローバル戦略研究所研究主幹としてご活躍されています。
山下氏は、マスコミで報道されているTPP悪玉論に対して、TPPのような自由貿易は日本の農産物を輸出するためには必要だと、別の視点からの解釈を論じました。
講座には、農業をしている方、仕事で農業に関わっている方、TPPについてこれから勉強しようと考えている方など、多くの方にご参加いただきました。
来年も各界のプロフェッショナルをお招きして開催します。見識を深める機会としてぜひお越しください。
開講スケジュールが決まり次第、WEBサイトにてお知らせいたします。
H26ビジネス公開講座
H27ビジネス公開講座
学生の意見が行動経済学を教えていくうえで刺激になる - 岩澤誠一郎先生インタビュー(1)
マネジメント研究科教授 岩澤誠一郎先生
行動経済学を専門とされている岩澤先生は、野村総合研究所および野村證券で、アナリスト、ストラテジストとして活躍された実務家教員です。軽快なトークで学生からも人気がある岩澤先生に「教えることの魅力」についてお話を伺いました。
取材:2015年9月
語り手:岩澤誠一郎
取材・構成:名古屋商科大学ビジネススクール広報
2012年退職後はずっと教員をされているのですか?
岩澤先生: はいそうです。専任教員ですから(笑)。非常勤で他の学校でも教えていますが、2012年からはここの専任です。
教えようと思ったきっかけは何ですか?
岩澤先生: 最初は明治大学のビジネススクールの先生に行動ファイナンスを教えて下さいって言われたのがきっかけです。いずれは野村證券をやめて教員や研究者になると思ってたんでしょうね、その準備みたいな感じで非常勤をやっていました。やっぱり好きなんですよ、教育も研究もね。特に研究が好きなんですよ。だからこの職業に就きたかったんでしょうね。
教えることの魅力は何ですか?
岩澤先生: 教えるのも好きで、教えるのは何がいいかというと、これもまた身勝手な話なんだけど、教えることでいっぱい研究のネタが得られるんですよ。
学生の意見や視点などで気づきを得るのですか?
岩澤先生: これは私の研究領域と密接に関わっているんだけど、行動経済学について言うと、今までの経済学っていうのは、人間の行動を抽象的なモデルの形で描くんですね。どういうモデルにするかと言うと、人間は儲けるためなら非常に合理的に行動するっていうモデルなんですよ。もちろんそれは全部間違いというわけじゃないです。お金が関わったらみんな真剣だから、ある程度は計算してやるじゃないですか。だけどよく自分のことを考えてみればわかると思うんですが、後悔するような買い物してみたりとか、いろいろありますよね、そういう側面が普通の経済学だとボコッと落ちてしまうのですよ。
それに対して行動経済学っていうのは、リアリズムの見地に立って人々の行動とはどういうものかということを考える学問です。それがバラバラだったら学問は成り立たないんだけど、みんなが同じように間違える、エラーのある種の規則性みたいなものがあるんですよ。システマティック・エラーっていうんですけど。そういうのを研究しましょうというのが行動経済学の重要な要素です。
で、行動経済学の授業の話ですが、いろんな事例を議論しながら、今の行動経済学はこの現象をこのように解釈しますと言いますよね。そうすると時々、学生がどうにも腑に落ちないって言うことがあるんです。私の経験ではとかいろいろと言い始めます。これが私にとって参考になるんですよ。今言われている理論は違うんじゃないかとか、いろいろなことを考えさせられます。それで教えるのが非常に好きで、実はそういう興味を持ってみなさんの話を聞いています。
学生さん一人一人を観察されているのですか?
岩澤先生: 観察が得意なんですよ。彼の反応がちょっと弱いなとか。クラスの反応が弱い時ってのはやっぱり、その理論が間違っているか、または私の教え方が悪いのかのどちらかなんです。だから反応が弱い時は考えさせられるわけです。敏感に感じ取るのが得意なんです。この点、日本人男性としては結構突出してるかもしれない。これも自分のやっている学問と密接に関係するんですけど、日本の男性は相手の考えていることを感じ取るのが下手だと思うんです。特に管理職になった人が問題でね。本当は、管理職は部下が何を考えててどういう仕事をやりたいのかについて、もっと敏感にならなきゃいけないんだけど。そういうところが弱いよね。
それは何が原因でしょうか?
岩澤先生: 私の分析では、日本の会社の構造的な問題であり、より深くは日本社会の問題ですね。日本の会社ではマネージャーに選抜される人が、必ずしもマネージャーとしての能力を持っている人とは限らないんですよ。プロ野球の監督を考えればわかりやすいんだけど、例えばジャイアンツの原監督(2015年9月取材当時)は何で原さんが監督になったかというと、いい選手で人気があったからであって、原さんが監督としてふさわしい能力を持っているからという理由で監督になったわけじゃない。日本の多くのマネージャーは、そういう形で選ばれてるんですよ。セールスが上手だった、あるいはエンジニアとして優れていたとかそういう人がマネージャーになる。しかしセールスが上手な人が管理職としても優れているとは限らないですよね。一方、アメリカやヨーロッパの会社では管理職は管理職として採用されるんですよ。平社員として採用した人についても、管理職になる能力があるかどうか、比較的早い段階で適性を判断されるのが普通です。つまりそこでは、マネージャーにはマネージャーとしてのスキルが必要であるという明確な認識があるわけです。
もう1つは、日本人がコミュニケーション下手だということですかね。言わなくてもわかるというのが非常に強いんですよ。察しなさいという文化が支配的なんです。しかし部下っていうのは世代も違うし、必ずしも察してわかるもんじゃない。言葉でお互い言いたいことを伝え合わないと、コミュニケーションできないんですけど、そういうことに慣れてないんですね。日本の夫婦なんかでも会話は少ないって聞くし、学校なんかでも言葉のコミュニケーションのトレーニングがなされていない。最近は子供がゲームに使う時間が多くなってますますダメになってるんじゃないかと。そういう社会の問題ですね。今、私これについて論文書いているんですよ、研究テーマなんです。
ISM経営・経済大学 ~NUCBと提携校で得られた成長~
9月に名古屋商科大学ビジネススクールにキャンパスツアーでお越しいただいた、リトアニアにあります本学提携ビジネススクールであるISM経営・経済大学にマネジメント研究科の伊藤武彦先生が客員教授として招聘され講義を行いました。
その際に在学生・修了生が共に渡航し、講義に参加されました。参加された水田大哉さんの留学レポートが届きましたのでご紹介いたします。
所感
これほど有意義な数日間を味わえたのは本当に幸運なことである。リトアニアという普段訪れることのない国の学生と、互いの国や企業の文化を通じて、刺激し合える体験をさせて頂き、またNUCBで学んだMBAスキルを実践する場を与えて頂き、心の底からNUCBとISM経営・経済大学の関係者に感謝している。来年も是非参加させて頂きたい。
体験したこと、学んだこと
(1)ISM経営・経済大学における講義からの学び
10/8、10/9の2日間は伊藤武彦先生の講義に参加させて頂いた。単なる聴講だけでなく、学生と同じワークに参加すると共に、自らの会社や自業務についてもプレゼンする。もちろん、質疑応答にも答える必要がある。また、講義が日本の組織の考え方に及ぶため、自らの体験や知識を基に、ISM経営・経済大学の学生に随時、臨機応変に説明をしていくことが必要となる(先生に不意に振られることが多々)。これらの講義内容を通じ、学んだことを下記に記す。
- 一方通行の参加ではなく、双方が文化の違い、考え方の違いを通して刺激し合えることを実感した。リトアニア人学生が日本や日本企業へ興味を持っていること、そして我々もリトアニアに興味を持っていることから、授業中や休憩中など、学生とのコミュニケーションは絶えず、非常に面白い。
- 普段当たり前の会社生活が、改めてリトアニアにとって違う文化であることを実感すると共に今一度、自分の会社や日本の会社を客観的に考え直す良い機会となった。
- 英語のプレゼン資料を準備すること、そして40~50人居る学生の前で英語で説明すること、そして質疑応答を英語で行うこと、すべてがNUCBの学習の延長であり、応用でもあり、度胸も含め、一歩成長できたと心の底から思う。
2)ISM経営・経済大学教授やリトアニア人学生との講義外活動からの学び
講義の他にISM経営・経済大学教授により、創造性を豊かにするための美術活動の取組みを説明して頂いたり、LunchやDinnerに招待して頂いたりと、その時々に交わす会話も通して貴重な経験を得た。そして、(3)に示すが、日本へ訪問したリトアニア人学生と講義に参加していた学生により、夕食会、バー、観光名所など、講義後にプライベートな時間を夜遅くまで共有させて頂いた。これらから感じたことを示す。
- リトアニアの歴史を教授との会話より実感。無数の教会に満たされた街中に感銘を受けると共に、ソ連からの独立間もないリトアニアだからこその生の体験談をISM教授から聞けた時はすごく感銘を受けた。今の学生には当たり前だが、わずか20年前には夢にも思わなかった海外への渡航。リトアニアの中でも世代間で大きな文化のギャップがまさに生じている。それに少しでも触れることができたことは貴重であり、感慨深い。
- 学生たちと講義外でアルコールを交えながらのコミュニケーションは、リトアニア人学生の考え方を知ると共に、国境を超えて互いに楽しむことを実感させる。街中や観光スポットにみんなが車で案内してくれる。数回しか会ったことがないのに、何時間も何箇所も一緒に行動しコミュニケーションを取ってくれるリトアニア人学生に、心の底から感謝すると共に、リトアニア人の人柄(文化)の良さを実感する。
(3)リトアニア人学生と日本でのDiscussion/Welcome Partyからの学び
私がリトアニアへ訪れる前、ISM経営・経済大学がNUCBにキャンパスツアーの受け入れがあり、そのセッションに参加した。自身が所属しているトヨタ自動車についてDiscussionを行った。これはNUCBがリトアニア学生を愛知県の企業を訪問する企画を設けており、その一環としてのイベントである。そして、Discussion後にWelcome Partyで学生とコミュニケーションを交わすことができた。
感じたこと
- Discussionでは、自社について海外の人がどのように思っているのか、どの点に関心があるのか、そして工場見学を通して自社について何を感じたか、などを目の当たりにすることができ、客観的に自社を見つめ直す良い機会となった。
- Welcome Partyでは、日本の企業についてどう思うか、日本の文化をどう感じるか、など、日本の土地で実感した生の意見を直接交わすことができる。日本に居ながら新鮮な学びを得た。
最後に
リトアニア学生が日本を訪れ、日本の企業や文化を体感し、そしてリトアニアへ我々が訪れリトアニアを体感する。NUCBとISMの学生の双方が、学習への理解をより深め、文化の理解もより深め、そして互の親交もより深め、Win-Winの関係がNUCB-ISM協定により実現できていることを実感した。このように、お互いが行き来することで、互いを高め合える機会は、希であり、ぜひこの活動は続けていくべきと実感する。


名古屋 マネジメント研究科 水田大哉さん
本学は世界各国100校以上のビジネススクールと提携を結んでいます。提携校での授業料は免除され、交換留学プログラムに参加いただけます。ご興味のある方は事務局までお問い合わせください。
学生の多様性がディスカッションを白熱させる - 岩澤誠一郎先生インタビュー(2)
マネジメント研究科教授 岩澤誠一郎 先生
行動経済学を専門とされている岩澤先生は、野村総合研究所および野村證券で、アナリスト、ストラテジストとして活躍された実務家教員です。軽快なトークで学生からも人気がある岩澤先生に「議論を面白くするもの」についてお話を伺いました。
取材:2015年9月
語り手:岩澤誠一郎
取材・構成:名古屋商科大学ビジネススクール広報
部下とのコミュニケーションスキルは、MBAを取得しようとしている人には必須
岩澤先生: これはワーク・エンゲイジメントというテーマなんです。ワーク・エンゲイジメントとは何なのかということですが、エンゲイジメントというのは心や体をそのために使っている状態のことで、例えば今あなたが上の空だったら、この会話にエンゲイジしていない状態。だけど私の話に引き込まれていたらエンゲイジしている状態ということです。
仕事において自分で振り返ってみても、熱心に取り組んでいる時とそうでない時とあるじゃないですか。自分の日常を振り返って、熱心であることが多いという人はワーク・エンゲイジメントの高い人ということになります。実はこれ、行動経済学の授業の4日目(最終日)の題材なんです。ワーク・エンゲイジメントを取っ掛かりとしてみんなでディスカッションをしてもらいます。例えば、いろんな調査のデータが示していることなのですが、日本の企業における従業員のワーク・エンゲイジメントを、世界各国の企業と比べると、日本の企業は世界最低の部類なんですよ。
日本人は勤勉だと思っていたんですが
岩澤先生: はい、そう思われてますよね。しかしここで注意しなくてはいけないのは、勤勉とエンゲージメントっていうのは、多少違う概念だってことなんですよ。勤勉っていうのは、体は一生懸命使って酷使してるんだけど、心は動いていないかもしれない。それに対して自分が心の底から楽しんで仕事をやっているというのがワーク・エンゲイジメントなんです。そういう観点からすると、日本人のワーク・エンゲイジメントは世界最低水準なんですよ。「仕事の満足度」という尺度を使って調査をしても同じ結果が出ます。日本人は仕事が何となく不満だと思ってもね、この職業就いちゃったからしょうがない、と一生懸命やるんですよ。
国民性みたいなものもあるんですか?
岩澤先生: 国民性みたいなものもある。ただそれだけではないのも明らかです。例えば名古屋商科大学のビジネススクールに来る人は、実はワーク・エンゲイジメントが高い人が多いんです。ただ面白いことに、統計をとってみると、一つのクラスの中で山が2つできます。クラスの半分ぐらいは、仕事をしていて楽しくてしょうがないっていうんですよ。一方もう半分くらいの塊は、自分のキャリアや仕事に少し行き詰っていて、だから人生変えたいからということでビジネススクールに来るって人-この人たちがもう一つの塊なんです。
それでね、この二つのグループの人たちがまた実にいいディスカッションをしてくれるんですよ。授業では一通りクラス全体での討議を終えた後で、グループに分かれて、各自のワーク・エンゲイジメントを高めるためにどうすれば良いのか、そしてあなたが上司だとしたら、部下のワークエンゲージメントを高めるために何ができるかを話し合ってもらって、発表してもらうんですが、これをやると、4日目は大変盛り上がる。みんな非常に良い雰囲気になってね。そして私はそこで受講生を良くリサーチして(笑)、その結果を論文書くのに使ってるんです。
「研究だけがしたい、授業は仕方なしに」というスタンスではないんですね
岩澤先生: そういう意味だと私の発想は違いますね。あんなに素晴らしい受講生、現実の社会の中で格闘している人たちがいろいろと自分の経験や考えを披露してくれる、その授業の時間は自分にとってとても貴重なフィールド・サーベイの機会であって、こんな機会を与えられてありがたいという気持ちをすごく持っている。だから授業のとき、学生たちが学ぶことになってるんだけど、私も熱心に見てるんだよね、学生を。熱心に見ようとしているっていうのかな、そういう感じはあるね。
授業で工夫してることとかありますか?
岩澤先生: ビジネススクールだからね。長沢先生がいつもおっしゃっておられるのは、ビジネススクールのクラスでは教師が教えちゃ駄目なんだと。私の場合は長沢先生ほどに悟りは開けないのだけど、それでもなるべくディスカッションに時間を取るようにはしてるんです。そうすると考えなくてはいけないのが、どのようにデイスカッションをファシリテイトするのかということでね。話の持っていきかたはよく考えないと。ここでこのような質問をとか、ここでこれを挟むとかね。そう言った点は授業の前に良く考えるようにしています。
シュミレーションしてから講義に臨むんですか?

岩澤先生: そうですね。まあもっとも、想定もしていなかった方向に議論が展開することも少なくなくてね。それでその方が面白かったりするんですけれど。私もいくつか講義を持ってるんですけど、日本人の講義で言うと、論理的思考力を養うEMBAの講義での「行動経済学」と、新たな価値を生み出すMBAの講義「エコノミー・イン・エマージング・マーケッツ(新興国市場の経済とビジネス)」を担当しています。これも授業やっていてとても面白いんですよ。
エコノミー・イン・エマージング・マーケッツという授業のテーマの一つは、リバース・イノーベーションという話です。リバース・イノベーションってのは何かと言うと、イノーベションというと、先進国で技術を開発して、それを新興国にも持って行くというイメージなんですが、実際には新興国のマーケットに持っていったら、先進国で開発した技術が全然通用しなかったりする。それで新興国発の根本的なイノベーションが必要だったりするんですが、そうして開発したものが今度は先進国に逆流してくることがある、というのがリバース・イノベーションなんですね。それでリバース・イノベーションのケースを8つ学ぶんですが、そのうちに、これも化学反応みたいなものなんですけど、途中からみなさんの理解の次元が、何段階も上がって行くんです。
どういう風に上がっていくかというと「リバース・イノベーションって、新興国発のイノベーションというけど、新興国じゃなくてもいいのでは、日本国内の地方発でもいいじゃないか」とか、「例えばスポーツ部で、部員のマジョリティがスポーツの有名高校から来た選手だったとする、そこに弱小高校から来た選手がいたとする。その選手を育てないと勝てないという時に、この選手を育てるにはどうしたら良いかという問題と、リバース・イノベーションの問題が関連してきますよね」とか、そういう話に繋がっていく。最終的に企業経営の話も超えて人生にいろいろと応用できる話じゃないかというように、みんなの理解がだんだん上がっていくんです。
それでその触媒になるのが、リバース・イノベーションについてのプレゼンテーションなんです。一人一人全員に、このケースを読んで、リバース・イノベーションという言葉で思いつく自分の事例について何でもいいから発表してもらう。そしたら、みんないろんなことを言い出すんですよ。それに触発されて、ああそういう風に考えればいいのかと考え方が刺激されてね。それでもう玉突き状態で、いろんなアイデアがぽんぽん出てくるわけ。この変貌ぶりというのはね、見てて楽しいですよ。みんなが刺激されて、好きなこと言ってくれてホント楽しいんだよ。更によく考えたら、自分のやっている研究の根本的なテーマとも、すごく関わって繋がっているんです。例えばワーク・エンゲイジメントの話なんかとも深い次元で関係していると思うし。何というか、教室の中でみなさんが楽しんで授業やってるのを見ていると、こちらも刺激を受けるし、見てるだけで幸せな気分ですね。
先生は意見を促すような話、聞き方をされているんですか?
岩澤先生: ポイントは何かと言うと、学生が何を言っても、ポジティブな雰囲気で反応することなんですよ。それはそんな難しいことじゃない。たとえちょっと変な意見だなと思ったとしても「面白いね」っていうんですよ。
これ書いていいんですか?
岩澤先生: いいよ、本当に面白い時も「面白い!」っていうからね。教員は教えるにあたって、みんなから意見を引き出しながら、議論の場をどうするために、どのようなファシリテートをするかについて、やっぱり頭をよく使って、考えて授業に臨まなくてはいけないと思う。その上で、考えても望むようにいかないから、とっさの勘も必要なんですが、その反応の仕方一つ一つを大事にしなくては。一つ大事なのは、汚れた心を持って教室にいかないことなんですよ。汚れた心で教室に行っていると、どうしても性格の悪さが生徒たちに見えちゃう。それは確実に教室の雰囲気を悪くするよ。だから授業に臨む前は名古屋城や東京駅を見て深呼吸でもして(笑)、心を多少浄化してから臨むんですよ。それはとっても大事なことなんです。
経営者に選ばれる税理士とは
会社や顧客から選ばれ続ける税理士となるためには、
・税理士である前に確立された人間であること。
・人の痛みや苦労を理解し、共に分ち合えること。
この2つが重要ではないでしょうか。
実はこれがとても難しいことなのです。
事業経営、そしてこれをつかさどる経営者には、光と影、動と静、陽と陰、喜と悲、愛と憎が常につきまとっています。経営者から選ばれる税理士、いや、人間であるためには、こうしたすべてを咀嚼し、飲み込んで受入れ、かつ理解して判断していく資質が求められます。
- 信頼される人間であること
- 嘘をつかないこと
- 約束を必ず守り、些細なことでも親身になってきちんと処理すること
- 当たり前のことを当たり前でないぐらいに、腐らず懸命にやり遂げていくこと
一見、実に簡単なことのように思えますが、永年継続して実行していくことは非常に難しいのです。
こうした人間臭い資質を備えた税理士こそが、人の痛みや苦労を理解し、生き馬の目を抜く競争社会に身を置く経営者から選ばれる税理士であると考えます。
経営者は必ずしも数理的判断や経営分析だけを求めている訳ではありません。
土日に1科目から学べるMBA単科
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